回復期の食事:胃腸にやさしいリスト

回復期の食事は、刺激を避けて消化しやすい主食・たんぱく質・水分を少量ずつ。おかゆ、うどん、白身魚、豆腐、スープが基本。体調に合わせて段階的に増やし、味付けは薄く、油は控えめにする。無理はせず、戻ったら一段階戻す。水分補給を忘れない。塩分も。

胃腸にやさしい回復期の食事リストと段階的な進め方の要点を解説

結論:まずは「しみ込む水分」と「やわらかい主食」から

回復初期は水分と電解質(体液のバランス成分)を優先し、次に消化しやすい主食、続いて脂質が少ないたんぱく質を加えます。味付けは薄め、量は少なめ、頻度はこまめに。合わなければ一段階戻します。

飲み物(最優先)

  • 経口補水液(ORS:浸透圧〈体液の濃さ〉が適切な飲み物)
  • 水、薄い麦茶、湯ざまし
  • 具なしの薄いスープ(野菜だし・かつおだし)

避けたいもの:アルコール、刺激の強いカフェイン飲料、強い炭酸、濃い果汁、乳脂肪の多い飲料。

主食(炭水化物)

  • 全粥〜七分粥〜五分粥(段階的に硬さを上げる)
  • やわらかいうどん、そうめん(湯で延ばして柔らかく)
  • 耳を落とした食パンのトースト(薄く焼き、水分とともに)
  • じゃがいもの裏ごし、米粉のおじや

たんぱく質

  • 絹ごし豆腐、温奴
  • 白身魚(たら・かれい)の酒蒸し・煮物
  • 鶏むね・ささみ(ひき肉の団子やほぐし、皮と脂は外す)
  • 卵(完全加熱の卵とじ・茶碗蒸し風。半熟は避ける)
  • 無糖ヨーグルトを少量から(乳糖に弱い場合は無理をしない)

野菜・果物

  • よく煮た根菜(にんじん・かぶ・大根)、やわらかいかぼちゃ
  • 皮と繊維を除いたじゃがいも・長いも(すりおろしは少量から)
  • バナナ、りんごのすりおろし(ペクチン:水溶性食物繊維)

避けたいもの:生野菜、香辛料が強いもの、油の多い調理、海藻・きのこなど不溶性繊維が多いもの、玉ねぎ・にんにくなど高FODMAP(発酵性糖質)食品は初期は控えめに。

段階的な進め方(フェーズとサイン)

フェーズ0:水分回復

吐き気や下痢直後は、経口補水液を一口ずつ。指標は尿量の回復、口の渇きの軽減。冷やしすぎず、5〜10分おきに少量。

フェーズ1:流動食

具なしスープ、ジュレ状のゼリー(砂糖控えめ)、全粥を薄めた重湯。腹痛・膨満がなければ次へ。

フェーズ2:軟食

七分粥、やわらかいうどん、豆腐、白身魚、よく煮た野菜少量。1回量は普段の半分以下、1日4〜6回に分ける。

フェーズ3:通常食への橋渡し

五分粥〜軟飯、脂身の少ない肉、完全加熱の卵、やわらかい果物。新しい食品は1品ずつ、少量で反応を確認。

どの段階でも、胃もたれ・痛み・下痢が強まったら一段階戻すのが無難です。個人差があるため、体調に耳を傾けて調整します。

かんたんメニュー例(プロ視点の下ごしらえ)

例A(穏やかに戻す日)

  • 朝:全粥+温奴(しょうゆは数滴)+薄い麦茶
  • 昼:やわらかいうどん(だし・ねぎ抜き)+白身魚の酒蒸し少量
  • 間:りんごのすりおろし少量+経口補水液
  • 夜:七分粥+にんじんのやわらか煮+鶏ささみのほぐし

例B(体力を少し戻す日)

  • 朝:軟飯少量+茶碗蒸し風(完全加熱)
  • 昼:おじや(米:水=1:4)+豆腐のとろみあん
  • 間:バナナ半分+湯ざまし
  • 夜:うどんの卵とじ(薄味)+かぶのスープ煮

下ごしらえの要点:だし(うま味)で塩を控える、油は計量して小さじ1以下に、食材は小さく切る・繊維を断つ、温度は「熱すぎずぬるすぎず」に保つ。

量・タイミング・味付けの目安

  • 1回量は普段の1/3〜1/2から開始、2〜3時間おきに少量ずつ。
  • よく噛む(咀嚼):唾液に含まれる消化酵素が負担を減らす。
  • 塩分は薄味を基本に、ふらつき・倦怠感があるときはスープや経口補水液で調整。
  • 就寝2時間前までに食事を終える。横になると逆流(胃酸が戻る)を招きやすい。

買い物・常備の工夫

  • 米・米粉、かつお節・昆布、乾麺(細うどん・そうめん)
  • 豆腐、卵、缶詰の白身魚(水煮)、冷凍白身魚
  • にんじん・かぶ・じゃがいも・かぼちゃ(火通りが早い)
  • 経口補水液、塩、砂糖、片栗粉(とろみづけは胃腸への当たりを柔らげる)

避けやすい・控えめにしたいもの

  • 揚げ物、こってりスープ、辛味(唐辛子・胡椒・にんにく)
  • 濃い菓子・高脂肪デザート、アルコール、強い炭酸飲料
  • 生野菜、大量の海藻・きのこ、雑穀の硬い粒
  • 脂身の多い肉、加工肉(ベーコン・ソーセージ)

体調別メモ

  • 下痢が続く時:水分はORSを優先。ペクチン(果物の水溶性繊維)を含むりんご・バナナは少量から。
  • 便秘気味に傾いた時:水分を増やし、やわらかい野菜の量を少しずつ。乳製品は体質に合わせて。
  • 吐き気が残る時:冷たすぎる・濃すぎる味は避け、ゼリーや重湯を小分けに。

衛生と安全(食中毒を防ぐ基本)

  • 手洗いと調理器具の分け置き(生肉・生魚と野菜のまな板を分ける:二次汚染の防止)
  • 中心温度(食材の内部温度)を意識して十分に加熱、作り置きは速やかな冷却・再加熱
  • 牡蠣など生食は回復期は避ける。卵は完全加熱。

脱水の疑い(尿量が極端に少ない、口の渇きが強い、めまいなど)がある場合や、血便・激しい腹痛が続く場合は、早めに医療機関に相談してください。ここでの内容は一般的な食事調整の目安で、個別の診断や治療に代わるものではありません。

参考情報

よくある質問(FAQ)

Q. 経口補水液(ORS)がない時はどうすればいい?
A. 一時的には、水と薄いスープで少量ずつ補い、塩味をわずかに感じる程度にします。砂糖や塩の自作は濃度調整が難しく、市販品の入手を検討してください。
Q. どのくらいの期間で通常食に戻せばいい?
A. 目安は数日〜1週間程度とされる場合がありますが個人差が大きいです。腹痛や下痢が落ち着き、食後の不快感がなければ、1品ずつ少量で試し、違和感があれば一段階戻します。
Q. 乳製品は完全に避けた方がいい?
A. 体質や症状によります。回復初期は無理せず、試すなら無糖ヨーグルトを小さじ数杯から。症状がぶり返す場合は中止し、別のたんぱく源(豆腐・白身魚)を選びます。

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